鯉のぼりは子供の健やかな成長を願って飾るもの。吹き流しには鯉のぼり同様、とっても大切な意味があります。
今回は鯉のぼりの吹き流しの意味と、何故五色も使われているのか?について、調べたことをまとめてみました。
吹き流しの重要な意味
吹き流しの意味はというと、ズバリ「魔除け」です。
近代までの日本は、現代日本よりも医療が発達しておらず、疫病や栄養失調での死亡・・・・・・特に乳幼児の死亡率が異常に高かったことが記録に残っています。
特に7歳までは「 いつ神様の元へ帰ってもおかしくない 」と思われていました。
幼子がいる母として考えたくないことですが、小さな子どもが神様の所に帰ってしまうことが本当によくあることだったようです。
そのため、授かった我が子が健康にすくすく育つように、との祈りを込めて鯉のぼりが誕生しました。
鯉のぼりの意味とは?
江戸時代、将軍家に男児が生まれた時に幟(のぼり/旗の一種)を立ててお祝いする風習がありました。
それが武家に広がり、やがて庶民がそれを真似して、中国の伝説「鯉の滝登り」で立身出世のシンボルとなった鯉を結びつけ、鯉のぼりになったと言われています。
鯉のぼりは、子どもが健康に育つようにという親心が作りだしたもの。
吹き流しも、「子を脅かす悪いものから守って下さい」という子どもを想う気持ちから生まれています。
ではどうして、派手な色でヒラヒラしている吹き流しが魔除けになるのか?
それは、まさにその「 派手な色 」に理由があったんです。
なぜ五色? 派手なだけじゃないその理由とは
吹き流しには、
● 青(緑)
● 赤
● 黄
● 白
● 黒(紫)
の五つの色が使われています。
これは古代中国の「五行説」に基づいています。
吹き流しの五色と五行説は切っても切れない関係。
私なりに、簡単にまとめて説明させて頂きますね。
五行説(五行思想)とは?
古代中国の「木・火・土・金・水 の5つの元素が互いに助けあったり、打ち消し合ったりしながら、全ての物事が循環している」という思想。
それぞれ、
● 木=青(緑)
● 火=赤
● 土=黄
● 金=白
● 水=黒(紫)
を意味しています。
吹き流しの色はまさにこの五色。
子どもに魔が忍び寄っても、「万物を成す5つの元素」が守ってくれる(邪気を祓ってくれる)と信じられていたのです。
なので、吹き流しはただ派手でヒラヒラしているのではなく、1つ1つの色に意味があり、五つの色が吹き流しという形で同時に存在する事で、魔除けの役目を果たしているんです。
なんかヒラヒラしてる!
くらいにしか思っていなくてゴメンナサイ・・・。
後記
● こいのぼりの吹き流しは、こいのぼり(=家族)を守る「魔除け」
● 青(緑)、赤、黄、白、黒(紫)の5色が同時に存在することで効力を発揮する
(万物を成す5つの元素が邪気を払ってくれると言われている)
こいのぼりの吹き流しについて調べてみましたが、いかがだったでしょうか?
ただヒラヒラしている派手な飾りくらいに思っていた吹き流しに、とっても大事な意味が込められていることに少し驚いています。
この吹き流しがあって、こいのぼりが「こいのぼり」として完成するわけですものね。
こういう背景を知ると、毎年淡々と過ごしていた行事が楽しくなってくるというか、気合いが入るというか。
子どもに意味を聞かれても答えられますしね!
あとはこいのぼりを出す日を待つばかり!