紫陽花の学名は「Hydrangea」(ヒドランジアまたはハイドランジア)
ギリシア語で「水の器」を意味します。
しっとりと濡れる梅雨の季節の花・紫陽花にふさわしい素敵な学名ですよね。
特に日本は青系の紫陽花が多く、花びら(正確には萼《ガク》)の淡い紫や美しい藍の色は、ますます水のイメージにピッタリです!
ですが紫陽花には、青系だけではなく赤系の色や白い紫陽花もありますよね。今回は紫陽花の色の変化について調べてまとめてみました。
七変化とも呼ばれている理由は土にあった
紫陽花には赤系、青系、紫系などの色がありますが、この色のベースになるのは「アントシアニン」という色素。このアントシアニンは植物界に多く存在する色素なんです。
アントシアニンを青や赤に変えるのは、補助色素と土壌のアルミニウムだと言われています。アルミニウムが紫陽花の根に吸収され、アントシアニンと結合するかどうかで、色が決まることが多いのだそう。
● アルミニウムがアントシアニンと結合すると青系の色になりやすい
● アルミニウムを吸収しないと赤系の色に色づきやすい
(※ 補助色素の関係で青になりづらい、または青にならない品種もあるようです)
アルミニウムが紫陽花の根に吸収されるかどうかは、土壌のPH値が関係してきます。アルミニウムは酸性の環境で溶け出し、吸収されやすくなります。
水溶液の中の水素イオン濃度により、「酸性」「アルカリ性」「中性」の度合い(強さ)を14段階の数字で表したもの。
中間の7を中性とし、0に近いほど強い酸性、14に近いほど強いアルカリ性を示します。
日本は比較的雨が多い国ですよね(平均年間降水量は、世界平均の約2倍という説も!)。雨水には大気中のCO2《二酸化炭素》が溶け込んでいるので、日本の土壌の多くは弱酸性《ph値5前後》を示すのだそうです。
日本で青系の紫陽花が多く見られるのは、そういった事情もあるのですね。
アルカリ性の土壌では・・・
紫陽花の花言葉のページでご紹介したフランスなどでは、アルカリ性の土壌が多いです。
アルカリ性の土壌ではアルミニウムが溶け出しにくく紫陽花の根がアルミニウムを吸収出来ないので、赤系(ピンクなど)の紫陽花が主流なのだそう。
色が変わる理由は外にも!
1株の紫陽花で、青や赤など色が違う花が咲く場合もあります。
これはそれぞれの花の根が吸収するアルミニウムの濃度によるもの。
伸びた根が、アルミニウムを吸収しやすい場所にあると青系に、根がアルミニウムを吸収しにくい所に伸びてしまうと、赤系の色になります。
また、青い紫陽花は、日が経つにつれ赤紫のような褪せた色に変化していくのですが、これは「花の老化現象」によるものです。
植物には人間のような循環器官がないので、日が経つにつれ酸が溜まり続け、花の色が変わってしまうのです。これは土壌には関係なく起こる変化だと言われています。
とっても綺麗な白い紫陽花は・・・
白い紫陽花は、紫陽花の色を変える色素であるアントシアニンを持っていないのだそうです。
アントシアニンがないので、土壌に関係なく白くなると言われています。
後記
● アルミニウムがアントシアニンと結合すると青系の色になりやすい
● アルミニウムを吸収しないと赤系の色に色づきやすい
※ アルミニウムが紫陽花の根に吸収されるかどうかは土壌のPH値が関係する
白い紫陽花は色を変える色素であるアントシアニンを持っていない
紫陽花の色に土壌が関係しているとは思いませんでした。ビックリ。
紫陽花はどの色もすっごい可愛いけど、一番気になって見ちゃうのは白。白い花が集まってる姿って綺麗だなって思います。
花言葉が寛容なのも素敵!