かつて、節分は旧年と新年の境目の日でした。
現在では12月31日にあたる日です。1年の中でもとても大切な日だったんですね。
節分の翌日は立春。
立春は現在の1月1日という感覚ですね。
なぜそのような大事な日に『豆をまく』ことになったのでしょうか。
今回は節分に豆まきをする意味を調べました。
福豆を年の数だけ食べる理由についても、簡単にまとめてみましたよ。
もくじ
節分にはなぜ豆をまく?
なぜ節分に豆をまくのか。まずはその理由を簡単に説明させて頂きます。
豆まきが始まったのは今から約700年前の室町時代(1338年~)。春の節分に『魔滅(まめ=魔を滅する)』を用いて鬼(旧年の厄や災難)を追い出し新しい年の無病息災を願う、とても重要な意味を持つ行事だったんです。
この頃は、現在の1年を365日とする太陽暦ではない暦(旧暦)が使われていたんですね。旧暦では春の節分が年の分かれ目の日だったようなんです。
つまり旧暦では、春の節分の翌日『立春』から1年がスタートしていたんですね。
この行事が始まった旧暦の時代と、太陽暦の現在との日にちにはズレがあってちょっとややこしいんですが、ざっとまとめますと、
● 旧暦の立春(元日)=現在の立春(2月4日頃)
● 旧暦の春の節分(大晦日)=現在の節分(2月3日で定着している)
※ 日本で太陽暦を元に暦を改定したのは明治5年の12月3日(この日を明治6年の1月1日としたそうです)。
現代からはるか大昔の平安時代(794年~1192年頃)には、大晦日に陰陽師たちが旧年の厄や災難を祓い清める行事「追儺(ついな/元は中国の儀式)」を行っていました。年の変わり目には邪気(鬼)が入り込みやすく、追儺はそれを追い払うための鬼祓いの儀式だったんです。
豆まきのルーツは追儺であるというのが、現在最も有力な説です。
節分が始まった旧暦では、節分が大晦日に相当し、重要な行事が行われていた日であることはわかりました。しかしやはり不可解なのは『 豆 』
なぜ豆!?『魔を滅する』って言ったって、ちょっとこじつけすぎじゃない!?
なんて思いながら調べていくと、この豆が『豆であること』にもきちんと意味があったんです。
ごめん豆・・・。
節分と豆の関係
前章で少し触れましたが、豆まきには『邪気(鬼)を追い払う』という意味があります。
なぜ豆なのか調べると、諸説ありましたのでざっとまとめてみますね。
- 言い伝え説
『鞍馬に鬼が出た時、毘沙門天(七福神の一つ)のお告げで炒った大豆を鬼の目に投げて退治した』 - 語呂合わせ説
「魔目(=まめ)」を鬼の目(魔の目)に投げて退治した(魔を滅した=まめ) - 日本の信仰説
昔は、豆などの穀物には強い生命力備わっていて、魔(鬼)を寄せ付けない力があると信じられていた
いやー、語呂合わせ(笑)面白いですね。
個人的にはすごく好きですが、気持ち的に惹かれるのは3番目かな。穀物が生命力に満ち溢れているというのは、すごく納得出来ました。力強さを感じるというか。
ちなみに豆まきに使用する豆は、火で炒った豆でなくてはいけません。
これは「炒る」は「射る」に通じるからという説や、五行説という思想が関わっているとも言われています。
五行説とは?
木・火・土・金・水の五つの元素が互いに助け合ったり、打ち消し合ったりしながら万物が循環しているという、中国の思想。
五行説に見る『鬼』と『豆』
鬼や大豆は『金』に属するとされています。金を滅するのは『火』
火で大豆を炒ることで、鬼を封じ込めると言われています。
生の豆を使うと、拾い忘れた豆から芽が出て縁起が悪いのだとか。とはいえ、わざわざ生の豆を炒るのはチョット面倒ですよね。
なので私は、スーパーなどで売られている『福豆』という、炒ってある豆を買っています。
年の数だけ食べるのはなぜ?
豆をまき終わったら、次は子供たちのお楽しみ(?)豆を食べる時間がやってきます。
豆まきの豆は、年の数だけ食べると言われていますよね。でも、鬼を祓うためにまいた豆をなぜわざわざ拾って食べるのか?
これは、先ほどの五行説のお話にも関係あると言われています。
火で大豆を炒って鬼を封じ込め、その豆を食べることで鬼を退治する、という意味になるのだそう。
また、炒った豆は福豆と呼ばれている通り、邪気を祓った豆。この福豆を年の数だけ食べることにより、年と同じ数の福を身体に取り入れるという意味があると言われています。
福豆を1個多く食べるのは?
福豆を年の数より1個多く食べるのにも意味があり、『来年も健康で暮らせますように』という願いが込められています。
食べる豆の数が「満年齢(現在の年齢)」なのか「数え年(現在の年齢+1)」なのかは地域によっても違い、どちらも間違いではないようです。
年の数(+1)だけ食べる福豆。
子供からこれしか食べられないのー?っていう不満の声が聞こえてきそうですが、私はそろそろ「こんなに食べられないよ・・・」っていう年齢に差し掛かって来ました^^;
さてそんな時は、福豆を使って『福茶』というものを作って飲むと、年の数だけ豆を食べなくても同じだけの縁起を担げるのだとか!
とっても簡単!福茶の作り方
用意するもの
● 福豆・・・3粒
● 塩こんぶなど(昆布の佃煮でも)・・・適量
● 梅干し・・・1個
● 熱湯(またはお好みで緑茶など)
作り方
材料を全部カップや湯のみに入れ、熱湯または緑茶を注いで出来上がり!
福豆がふやけたら飲み頃。梅干しを潰してから飲んでみて下さいね~♪
ちなみにこの材料にもそれぞれ、
● 福豆 ⇒ まめまめしく働く(3粒なのは3が縁起の良い数字だから)
● 塩こんぶや昆布の佃煮 ⇒ 『よろこぶ』にかけている
● 梅干し ⇒ 松竹梅など、とても縁起が良いもの
という意味があります。
後記
● 節分は1年の境目の日(大晦日⇒正月)
● 豆で鬼(病や災厄)を退治することで無病息災を祈願
● 年の数だけ豆を食べるのは、福を体に取り入れるという意味がある
豆まきは、鬼(旧年の災厄)を福豆で祓い新しい1年を健康に過ごせるようにと、室町時代から行われてきた行事だったんですね。テレビで芸能人がお餅をまいてるのを見て「あー。またやってらー」くらいにしか思ってなくてゴメンナサイ。
ちなみに私が小さい頃、家では『鬼は外ー!福は内ー!』の掛け声と共に、飴やチョコなどの小さなお菓子が宙を舞っていました。バラバラと落ちるお菓子を、私と妹たちで一生懸命拾ったのは良い思い出です。(超楽しかったです!)
・・・ですが! お菓子では鬼に勝てない!!
炒った豆はその中にあったような、なかったような。なかったような・・・。
うーん。私の頭が残念なのは、鬼を退治出来なかったからなのかもしれません(笑)