こんにちは!ブログ管理人のhinataです!
今回は私たちが日頃使っているお箸のマナーについてです。
先日、おかずを1つ子供のお皿に渡そうとした時、子供が反射的に箸を出して来たんですよね。
直接箸と箸でおかずを受け渡せれば、私の箸⇒お皿⇒子供の箸という手順から、お皿に移す過程が一つ減るので子供にとっては楽だと思ったのでしょうけど…。
お箸のマナーの中には、『忌み箸』や『嫌い箸』と呼ばれる、お箸でやってはいけない作法がたくさんあります。
箸と箸でおかずを受け渡す『箸渡し』もその一つ。その理由を見ていきましょう。
箸と箸がダメな理由は…
死者を火葬した後、『骨上げ』という収骨の作法があります。
地域によって違いはあるのですが、一般的には『骨上げ』は、二人一組になり箸と箸で遺骨を掴んで骨壺に収めることを言います。二人で箸と箸を使うのは、弔事の時のマナーなのですね。
仏教では、あの世とこの世の間には三途の川があると考えられています。
故人が三途の川を渡って無事にあの世にたどり着けるように、箸と箸でお骨を渡すことで、三途の川に『橋』をかけて安全に渡れるように(=橋渡し)という願いが込められているんです。
同音異義語の『橋』と『箸』をかけている(橋をかける)んですね。
食事の席で箸と箸で一つのおかずを掴む、受け渡すのがダメなのは、この死者の骨を拾う動作に通ずるとされていて縁起が悪いからなんですね。
死後の儀式として行われていることを、食事の時にやるのはいけませんね…。
『箸渡し』と同じように『死』を連想させてしまうお箸のタブーが、他にもいくつかあります。
そちらもご紹介させて頂きますね。
箸渡し以外の『死』を連想させる箸のタブー
- 二人箸
二人で同時に、同じおかずを箸で掴む行為です。
こちらも箸渡し同様、死者の火葬の後の骨を、箸を使って二人一組で骨壺に収める時の方法なので、食事の時にしてはいけません。 - 違い箸
通常、素材・色・形が全く同じ1対の箸で一膳として使用しますが、違い箸は『1本が木』『1本が竹』等、長さや素材が違う箸を1膳として使うことを言います。
収骨の時には木と竹を組み合わせた箸を使います。死者に対しての作法になりますので、食事の席ではタブーとされています。 - 立て箸・仏箸
ご飯をよそったお茶碗に箸を突き立てることを言います。
仏箸とも言う通り、死者の枕元に供えるご飯(枕飯)の作法です。生前使っていたお茶碗にご飯を高く盛り付け、箸を垂直に突き立てます。
箸を1本立てたり、1膳立てたり、地域によって作法は違うようです。
二人箸、違い箸と同様に、食事の席では縁起が悪いと忌み嫌われています。
忌み箸・嫌い箸とされる数ある箸のタブーの中でも、今ご紹介した弔事を連想させる箸の使い方は、食事の席では特に縁起が悪いとされています。
子供の頃、何の気なしにご飯に箸を突き立てたまま、足りないお皿を取りにキッチンへ行って、母にすごく怒られた記憶があります。
理由を説明されてもその時は「ふーん」くらいにしか思わなかったのですが…
子供がいる今なら、あの時の母の気持ちがわかります。
後記
● 箸と箸(箸渡し)がダメな理由は、故人の骨上げの作法を連想させるから
● 『二人箸』『違い箸』『立て箸・仏箸』等も弔事を連想させるので食事の席ではタブー
ご飯に箸を刺したままにしてしまう、大皿に乗った料理をとる時に同じおかずを箸で挟んでしまう、お箸が1本見つからないから似たようなサイズのもので1膳にして食べようとしてしまう…
子供の頃のことですが、全部心当たりがあります…
その度に、母にものすごく怒られましたけども。
特に違い箸は、我が子もやりがち(もう1本の箸を探すのが面倒くさい時や、パッと掴んだ箸が違った場合にそのまま使おうとして起こる)なので、しっかり理由を説明して、気を付けてあげようと思いました。