鯉のぼりの一番上にあるキラキラの『回転球天球)』、その下に風に吹かれてカラカラと小気味いい音を出す風車。この風車を『矢車やぐるま)』と言います。

良く見ると風車とは形が少し違っていて、軸の中心から羽根のついた矢を放射状に取り付けてあります。その羽根の部分に風を受けて風車のようにクルクル回っているんですね。

子の健やかな成長を願う鯉のぼりや、その上にある魔除けの意味を持つ吹き流し。この二つの更に上に飾る『矢車』と『回転球』にはどんな意味があるのでしょうか。

今回は、鯉のぼりの矢車や回転球について調べてみました。
子供向けの簡単な説明も一緒にご紹介します。

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鯉のぼりの上にある『矢車』の意味

鯉のぼりの上の矢車と天球

矢車とは

  1. 神様を呼ぶ
  2. 魔除け
  3. 幸運を射止める

矢車が風を受けて鳴るカラカラという音は、神様に『ここに子供がいます』とお知らせするものと言われています。
大切な我が子がちゃんと加護を頂けるように、神様に来て頂けるように音を鳴らしているのですね。

母にっこり

私は昔、メインの鯉のぼり以外は、回転球も矢車もただ豪華さを演出するための飾りかな?なんて思っていたので、こんな大切な意味あるなんて驚きました。

②の魔除けと③の幸運を射止める、もすごく気になりますよね。

矢車は、中心と外側の輪を繋ぐ部分が矢の形をしており、中心から放射状に広がっています。
この矢についている羽根部分で風を受けて、カラカラと音を出しながら回るんですね。

音で神様を呼ぶ、と先ほどご紹介しましたが、この音で驚かせて悪いものを追い払うという意味もあるのだそうです。

そして弓矢は邪悪なものを打ち破るとして、昔から神事で使われたり、神聖なものとされてきました。
(魔を破る破魔矢などは現在、家内安全の縁起物ですね)

母笑顔

矢車の矢は放射状に広がっていますから、どこから悪いものが来ても打ち破ってくれそうで、『魔除け』としてとても頼もしいですね。

さらに、矢には幸運を射止めるという意味もあるのだそう。

神様を呼んで、魔除けの役目を果たし、幸運を射止める…
さらっと書きましたが、矢車って凄いですね…!

『矢車』の意味を子供向けに簡単に説明するなら

鯉のぼりを被った子供「矢車って、風で回る時のカラカラという音で神様を呼んだり、悪いものが来たら音で驚かせて追い払ってくれるんだって。

矢車に『矢』が使われているのにも意味があってね。

悪いものをやっつけたり、逆に良いものを捕まえたりしてくれるんだよ。」

矢車のさらに上の『回転球(天球)』の意味

矢車のさらに上に、回転球、天球と呼ばれるパーツがついています。
風を受けて回転球が回ると、キラキラ光って綺麗ですよね。

こちらは、神様に見つけてもらいやすくするための目印の意味があります。

母笑顔

目印になるものはなるべく高く、少しでも天に近づけたいですよね。

回転球は、江戸時代頃は駕籠玉(かごだま)と呼ばれる竹で編んだ丸い籠だったそうです。

鯉のぼりのパーツの中の、天に一番近い場所に駕籠玉をつけることで『神様を呼びこむ』という意味もあり、他にも『幸せ』や『』も入りますようにと願いを込められたものなのだそう。

その後、時が経つにつれ駕籠玉の形も変化していきました。

現在では金箔がキラキラ光る、豪華な回転球になっています。
光が反射して、目印としての効果は抜群ですよね!

『回転球』の意味を簡単に説明するなら

鯉のぼりを持って鯉に乗り空を飛ぶ子供

回転球は、鯉のぼりの一番高いところでキラキラ光って、『ここに子供がいますよ』って神様にお知らせしているんだよ。

昔は形が違って、竹で編んだ丸い籠でね。
神様を呼ぶのと、幸せが籠の中にたくさん入りますようにっていうお願いも込められていたんだって。

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後記

まとめ

● 『矢車』は矢を放射状に取り付けたもの
カラカラという音は神様を呼ぶ音であり、魔を追い払う音と言われている。
矢には魔を打ち破る意味と幸運を射止めるという意味がある。
● 『回転球』に神様に見つけてもらいやすくするための目印
江戸時代頃は竹で編んだ籠で、駕籠玉と呼ばれていた
神様を呼ぶ以外にも、幸福が入りますようにという願いも込められていた
今ではとても豪華な作りになっている

色々調べていたら、この矢車の音で苦情がくるというお話を見つけてしまいました。

周囲に気遣って、強風の時や音が響きやすい夜は鯉のぼりをしまったり、対策されている方も多いようですが…。

母あわわ

昨今の住宅事情もあり、矢車が静音タイプの鯉のぼりも発売されているようです。
それにしても、なんだか世知辛いですね…。

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